新聞読んでたら、やっと来ましたついに来た、
という感じです。虫歯根絶の最終兵器が。
まず予備知識として虫歯のメカニズムを知る
必要があります。虫歯ってのは一種の伝染病で、
ストレプトコッカス・ミュータント菌(口内の糖分を酸に
変えて虫歯を作り出す)が親から子へ唾液などを
介して伝染することによって発生します。
そして、2〜3歳くらいまでにこの菌に感染しな
かった場合、口の中の細菌はバランスを保つために
新しい細菌を受け付けなくなり、「一生虫歯にならな
い人」が完成します。たまにいますね、全然歯ぁ磨か
ないのに虫歯にならない人。こういう人は口内に
ストレプトコッカス・ミュータントが存在していないん
だそうです。日本人にも3%程度いるらしいですよ、
こういう人。
「親の唾液が一切赤ちゃんの口に入らないようにす
る」とかすればいいんですけど、3年間これを守るの
はなかなか難しいわけです。
で、一旦感染してしまったストレプトコッカス・ミュー
タントは一生口の中で繁殖し続けるので、どれだけ
念入りに歯磨きしようとも、完全に虫歯を防ぐことは
出来ないんですね。
さあ、これで虫歯知識はOK。こっから本題です。
フロリダ大学のジェフ・ヒルマン博士が作り出した
新造バクテリア『BCS3-L1』(博士が国際特許
取得済み。特許番号6391285)は、口内でストレプ
トコッカス・ミュータントと同じように継続的に増殖し、
増殖の過程においてストレプトコッカス・ミュータント
を完全に撲滅するんだそうです!!
しかも永久に!! つまりどれだけ口の中が砂糖ま
みれでも、それを酸に変える細菌がいないから虫歯
は出来ないのです!永久に!
使用方法はいたって簡単で、BCS3-L1がごっちゃり
増殖している液体を歯に塗るか、その液体でうがい
をするだけ。革命的発明ですよねこれは。ノーベル賞
ものですよ。歯医者はどうするのでしょう。
業界再編必死。合併とリストラの嵐。審美歯科の台頭。
世界最大のメガ歯医者誕生(ない)。
歯磨きしない口臭野郎の増大!?
FDA米食品医薬局の認可を得るために博士は
現在絶賛臨床実験中だそうで、数年後の実用化を
目指してるそうです。一体治療費はいくらになるん
でしょうか。継続して使うタイプの薬ではなく、一発で
一生効くというものだとすると、100万円とかでも需要
は十分ありそうです。わざと薬の効果を時限的にして、
リピーターから大金巻き上げるという線も。
博士は間違いなく世界一の金持ちになるのかな!?
口内の細菌を全て殺傷すると歯に悪影響が出るので
虫歯菌だけを殺す性質のものが今までいくつか
作られていたらしいですが、今回の発明のキモは
「菌で菌を殺し、効果を半永久的にする」
という部分にあるみたいです。
当初、日経流通新聞の表記に倣い
「ストレプトコッカス・ミュータントウィルス」とこちらでも
書いていましたが、これはウィルスではなく
細菌(バクテリア)であるという指摘をたくさんいただき
ました(また、ミュータント菌ではなくミュータンス菌で
あるという指摘もいただきました)。日経流通新聞が
どのような意図でウィルスと表記したのかは不明です
が、こちらでの表記は菌、細菌に統一するよう
訂正しました。
おまけで細菌とウィルスの違いを。
【細 菌】
自分自身の力で増殖する。ウィルスの数十倍から
数百倍の大きさである。
生物として生きていくために必要な物質、遺伝情
報を全て持っている。人間や動物の細胞の外側
から作用して病気などを引き起こす。
【ウィルス】
他の生物の中に入り込み、宿主の力を借りて増殖
する。電子顕微鏡でないと見えない大きさ。遺伝
情報とコートたんぱく質、抗原たんぱく質だけで
構成されおり、宿主のDNAに組み込まれると遺伝
情報だけになってしまう。人間や動物の細胞の内
側に入り込み、病気などを引き起こす。
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